納税管理人制度とは、税務署や税務局によって選定された個人または法人が、特定の納税者に代わって税務手続きを行う制度のことです。具体的には、納税者が確定申告書の提出や税金の納付、税務署かたの問い合わせなどの対応を納税管理人に委任することができます。
海外移住の時の納税管理人には誰を選任すべきか?
納税管理人は「納税管理人の届け出」を提出することで基本的に誰でもなることが出来るので、親族や税理士に任せることが多いです。また、個人のみでなく法人も受任することが出来ます。
ただし、納税者の代わりに税務手続きが代行出来てしまうという性質上、信頼関係の築ける人物であることは重要です。
さらに税務署から問い合わせがあった場合に適切な回答をするためにも、一定の税務知識がある人物であるほうが望ましいでしょう。
海外移住の際に納税管理人の届け出はかならず必要なのでしょうか?
必ずしも納税管理人の届け出は必要ありませんが、以下のような理由からメリットが大きいため、届け出をしておくことを強くお勧めします。
①海外に長期滞在する場合、国内の税務手続きが必要になる場合がある
例えば、海外に滞在中に日本国内で発生した所得がある場合や、不動産を売却した場合、相続や贈与等が発生した場合などは納税義務が生じます。
この場合、納税のためだけに帰国することは煩雑ですし、コストもかかります。そういった場合に、納税管理人に委任して納税することができます。
②一定金額以上の株式などを保有している場合
出国日時点で1億円以上の株式などの有価証券を保有している場合は、出国した時点で全て売却したものとして税金を納税する必要があります。
しかし、納税管理人の届け出を提出していれば、翌年度の3月15日まで納税が猶予されます。さらに担保を提供することで、納税期間を5年間猶予することもできます。
③出国前に、事業所得などが発生している場合
出国前に所得が発生している場合は、原則として出国日前に申告納税を終わらせる「準確定申告」が必要になります。これは、出国後は納税者と連絡が取りづらくなるため、出国までに手続きを終わらせておいてください、という趣旨です。
しかし、納税管理人の届け出を提出していれば、翌年度の3月15日まで納税が猶予されます。
国際税務に強い税理士に納税管理人を任せるメリットはなんでしょうか?
①税務署からの難しい問い合わせも全てお任せすることが出来る。
海外移住後に税務署から問い合わせがあった場合、国内の税法だけでなく、移住先の税法、さらに日本と移住先の租税条約も加味した上で適切な回答をする必要があります。
通常、日本の税理士は英語が苦手だったり、日本の税務には詳しいが海外の税法に詳しいことは多くないため、そういった取り扱いに慣れている税理士に任せるほうが安心です。
②公認会計士・税理士が納税管理人であることに対する、税務署の心象向上。
先述の通り納税管理人は原則として誰でもなることが出来ますが、公認会計士や税理士が納税管理人に受任していることで、税務署にも安心感を与えることが出来ます。
③日本で確定申告の必要がある場合、海外関係の取引に慣れているためスムーズ。
海外移住し非居住者となった後でも、日本に源泉のある所得がある場合は確定申告をしなければならないケースがあります。
その際、海外関係の取引がある場合、確定申告を受任しない税理士も少なくありません。
国際税務に強い税理士であれば、そういった場合でも安心して任せることが出来ます。
国際税務に強い税理士に納税管理人を任せたい場合
料金体系はこちらになっております。
ご依頼を検討されている方は、お問い合わせフォームより「納税管理人サービス」とご連絡頂けましたら、追ってご連絡させて頂きます。