ドバイで日本人向け不動産仲介会社を設立する方法

投稿:2025年11月26日更新:2025年12月2日ブログ

ドバイでのビジネス展開を検討されている方の中で、不動産仲介会社の設立を考えている方も多いのではないでしょうか

実際のところ、2024年は日本人がドバイで不動産仲介会社を設立する動きが相当増加しており、業界としても競争が活発化しています。ただその一方で、ドバイで不動産仲介業を始めるには複雑な法的要件や規制をクリアしなければなりません。

本記事では、日本人がドバイで不動産仲介会社を正規に設立する際の具体的な手続きや注意点について、法務・税務の観点からお伝えします。

ドバイ・ビジネスベイのスカイライン

不動産仲介会社に必須のRERAライセンス

ドバイで不動産仲介業を営むためにはまず、ドバイ不動産規制庁(RERA)の公認エージェント資格を取得する必要があります

これは日本の宅建士に相当する資格制度で、法人が不動産ブローカーライセンスを取得するための前提条件となっています。RERAエージェント資格を取得するには、不動産会社に所属した上で、ドバイ不動産研究所(DREI)が提供する4日間程度の認定研修を受講し、その後試験に合格することが必要です。

ただし留意が必要な点として、RERA試験はオンラインの選択式であり、実務的な知識より形式的な性質が強い傾向があります。そのため、資格保有者の実際の不動産知識や経験を判定する上では、試験合格の有無だけでなく、実務経験や人的ネットワークなども重要な判断要素となります。

✅RERAライセンス取得の流れ

不動産会社に所属する
DREI(ドバイ不動産研究所)の認定研修を受講(4日間程度)
RERA試験に合格する(オンライン選択式)
RERAエージェント資格を取得
法人の不動産ブローカーライセンス申請が可能

RERAライセンス証明書

法人設立の流れと業種ライセンス選定

ドバイでの不動産仲介会社設立には、大きく分けてメインランドとフリーゾーンの2つの選択肢があります。

不動産仲介業は国内市場へのアクセスが重要であるため、多くの日本人企業はメインランド法人を選択しています。

不動産関連のアクティビティは非常に細かく分類されており、例えば売買仲介と賃貸仲介は同一法人での取得が可能ですが、民泊事業のライセンスは別法人での運用が求められることもあります。

法人登録から営業許可までの期間はいずれも1ヶ月程度で完了し、初期費用は概ね以下の通りです。

法人形態 メリット デメリット 初期費用目安
メインランド UAE国内市場への自由なアクセス
不動産仲介業に最適
物理的オフィス必須 約65,000〜70,000 AED
フリーゾーン 設立が比較的容易 国内市場に制限あり 約45,000〜60,000 AED

物理的なオフィス環境と実体性の確保

ドバイでの不動産仲介業を営むには、現地に物理的なオフィスの設置が必須要件です。これは日本の法制度と異なる重要なポイントです。当局が事業実体を判定する際に、登録されたオフィスの住所が実在し、実際に事業が行われているかどうかを確認します。

また、金融行動作業部会(FATF)の国際的な基準を受けて、ドバイの金融規制も年々強化されています。マネーロンダリング対策として、実質的支配者(UBO)登録が義務付けられており、法人を実際にコントロールしている個人の詳細情報をUAE当局に登録する必要があります。

この手続きを怠ると罰金対象となるため、設立初期段階でこの要件を確実に満たしておくことが重要です。

ドバイの不動産オフィス

銀行口座開設

法人設立後、営業のためにドバイの銀行で法人口座を開設する必要があります

銀行口座開設には、会社登記簿、定款、代表者のパスポート、エミレーツIDなどの書類が必要です。

UAE最大の銀行であるエミレーツNBDやFAB(First Abu Dhabi Bank)などが不動産関連企業向けの口座開設サービスを提供しているほか、昨今ではWIO BankやMashreq Neobizなどのオンラインバンクも開けているようです。

不動産取引における手数料体系と事業実態の構築

ドバイでの不動産取引に関わる手数料の体系を理解することも、事業計画の立案に不可欠です。中古物件の売買仲介では物件価格の2パーセント、賃貸仲介では年間家賃の5パーセントがエージェントの報酬となります。

新築物件(オフプラン)の場合、デベロッパーからエージェントへ4パーセントから10パーセント程度の手数料が支払われるため、買主からの仲介手数料を取らないケースが多く見られます。

事業の初期段階では、大手デベロッパー(EMAAR、Damac、Aldarなど)とのパートナーシップ構築や、既存の日本人顧客ネットワークの活用により、オフプラン物件の情報確保が重要です。また、顧客に対して責任ある情報提供を行うため、ドバイの不動産法制や租税条約、日本側の税務ルールについて常に最新の知識を保つ必要があります。

取引種別 手数料率 支払者 備考
中古物件売買 物件価格の2% 買主 売主・買主から各1%ずつの場合もあり
賃貸仲介 年間家賃の5% 借主 物件により異なる場合あり
新築物件(オフプラン) 4%〜10% デベロッパー 買主からは徴収しないケースが多い

まとめ

ドバイで日本人向け不動産仲介会社を設立するには、RERAライセンス取得、オンショア法人設立、現地オフィスの確保、銀行口座開設、そして日本側の税務申告義務まで、多段階の要件をクリアする必要があります。

ドバイの不動産市場は高い成長ポテンシャルを有していますが、その市場機会を活かすには、堅牢な法的基盤と適切なコンプライアンス体制が不可欠です。不動産仲介事業の設立に関してご不明な点やお困りの点がございましたら、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

 このブログを書いた人

税理士・公認会計士(日本・UAE)。ドバイ在住。日本とドバイで会計事務所を経営しています。税務顧問や会計監査、ドバイへの移住支援を行っています。

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