【完全版】ドバイ法人設立の流れ|フリーゾーン選択・ライセンス・法人税登録・ビザ取得まで

投稿:2025年11月26日更新:2026年6月23日ブログ

ドバイ在住の日本人公認会計士・岡本信吾です。

ドバイは法人税0〜9%という世界最低水準の税制、個人所得税ゼロ、100%外資出資が可能、中東・アフリカ・南アジアへのゲートウェイ立地という4つの強みから、日本企業の進出先として2026年現在も人気を集めています。一方で、2023年6月以後に開始する事業年度からUAE連邦法人税(Federal Decree-Law No. 47 of 2022)が施行され、設立後3か月以内の法人税登録義務、QFZP要件、銀行口座開設のAML/KYC厳格化など、知らずに進めると罰金や失敗を招く論点が増えています。

本記事では、2026年6月時点の最新ルールに基づき、ドバイで法人を設立する全工程を7ステップで解説します。フリーゾーン法人とメインランド法人の使い分け、必要書類、費用相場、設立後の必須手続き、そして日本人がつまずきやすい3つの落とし穴まで、当会計事務所の年間80件超の設立サポート実績を踏まえてお伝えします。

ドバイで法人設立する4つのメリット

法人税0〜9%という世界最低水準の税制

UAE連邦法人税は、課税所得AED 375,000(約1,612万円)以下の部分が0%、超過部分が9%という構造です。さらにフリーゾーン法人がQFZP(適格フリーゾーン法人)要件を満たす場合、適格所得は0%が継続適用されます。日本の実効税率(約30%)と比較すると、利益AED 500万(約2.15億円)の事業で年間1億円規模の税負担差が生まれます。

100%外資出資が可能

2021年6月施行のCommercial Companies Law改正により、メインランド法人でもほぼ全業種で日本人が100%株主のLLC設立が可能になりました。フリーゾーン法人は従来から100%外資が標準です。一部の戦略的影響業種(銀行・通信・防衛・商業代理店等)のみ現地パートナーが必要です。

個人所得税0%・利益の100%本国送金が自由

UAEは個人所得税・キャピタルゲイン税・相続税がいずれも0%です。法人利益や個人給与の本国送金にも為替規制や送金税は一切かかりません。経営者・従業員ともに手取りが最大化される仕組みです。

中東・アフリカ・南アジアへのゲートウェイ立地

ドバイは中東・アフリカ・南アジア・CIS市場の30億人経済圏の中心に位置します。Dubai International Airport、Al Maktoum International Airport(DWC)、Jebel Ali港など世界最大級の物流インフラを擁し、貿易・物流・eコマース・コンサルティング事業に圧倒的優位性を提供します。

関連記事:ドバイ法人にかかるタックスヘイブン対策税制(CFC税制)について解説

フリーゾーン法人とメインランド法人の違いと選び方

区分早見表

ドバイで設立できる法人は、管轄当局の違いで大きく2つに分かれます。

項目 フリーゾーン法人 メインランド法人
管轄当局 各フリーゾーン当局(DSFZ・Meydan・IFZA・DMCC等) Dubai DET(経済観光局)
外資出資比率 100%可能 100%可能(多くの業種で)
UAE本土での取引 制限あり(2025年新ルールで条件付き可) 制限なし
法人税率 QFZP要件充足時は適格所得0%・非適格所得9%/非QFZP時は通常9% 課税所得AED 375,000以下は0%、超過部分は9%
設立スピード 3〜5営業日(最短) 7〜10営業日
オフィス要件 フレキシデスク可 物理オフィス必須(Ejari登録)
初期費用の目安 150万円〜200万円 180万円〜220万円
政府入札への参加 不可(本土営業許可で部分可能) 可能

フリーゾーンが向いている事業

UAE国外との取引が中心の事業、特に輸出入商社、越境EC、物流、IT、コンサルティング、暗号資産関連、ホールディングスはフリーゾーンに適しています。中でも日本人起業家に人気なのはDubai South Free Zone(DSFZ)、Meydan、IFZA、DMCCの4つです。

DSFZはAl Maktoum国際空港(DWC)に隣接する総面積145㎢の巨大フリーゾーンで、Jebel Ali港、Expo City Dubai、シェイク・ザイード・ロードへのアクセスも良好です。物流・貿易・航空・eコマース・製造業の事業者にとって、UAEで最も戦略的な立地のひとつといえます。

関連記事:【2026年最新】ドバイの主要フリーゾーン10選比較

メインランドが向いている事業

UAE国内市場(BtoC事業、店舗・サロン・レストラン、政府機関との取引、UAE法人向けコンサルティング)を顧客とする事業はメインランド一択です。物理オフィスの賃貸契約とEjari登録(賃貸契約のドバイ土地局への登録)が必須で、ビザ枠もオフィス面積に比例(従業員1人あたり約9㎡)します。

2025年新ルール|フリーゾーン本土営業許可制度

従来「フリーゾーン法人は本土で営業できない」が原則でしたが、2025年3月施行のDubai Executive Council Resolution No. 11 of 2025により、ドバイ首長国内のフリーゾーン法人は本土営業の公式許可枠組みを得られるようになりました(DIFC所属企業を除く)。

具体的には、DETと所属フリーゾーン当局の承認の下、次の3形態を選択できます。

2025年10月8日にはDETによる対象業種リストの本格運用が始まりました。ただし、本土活動から得られた収益部分には法人税9%が適用されるため、会計上は明確に区分管理が必要です。

関連記事:ドバイで日本人に人気の法人形態と選び方|メインランドvsフリーゾーン徹底比較

ドバイ法人設立の流れ【7ステップで完全解説】

ステップ1:事業形態と所在地の選択(1〜3日)

フリーゾーンかメインランドかを決定し、フリーゾーンの場合は40以上ある中から自社事業に適したゾーンを選定します。DMCC、DIFC、JAFZA、DSFZ、Meydan、IFZAなど、フリーゾーンによって設立費用・維持費用・業種制限が大きく異なります。

ステップ2:会社名の予約・登録(10分〜2営業日)

宗教的・政治的に問題のない名称であることを確認し、メインランド法人の場合はDED、フリーゾーン法人の場合は各フリーゾーン当局に申請します。Invest in Dubaiポータルを使えばオンラインで10分以内に予約可能です。商号予約費用は620AED(約26,700円)、外国語名追加は1,000〜3,000AED(約4.3万〜13万円)です。

ステップ3:初期承認(Initial Approval)の取得(3〜5営業日)

事業計画書、パスポートコピー、株主や役員の情報などを提出し、当局からの承認を得ます。この段階では事業活動はまだ開始できませんが、次のステップに進むための重要な手続きです。

ステップ4:定款(MOA)の作成と公証(3〜5営業日)

定款には会社の目的、資本構成、株主の責任などが明記されます。メインランド法人の定款はDED提出用にアラビア語版が必要で、実務上は英語・アラビア語のバイリンガル版が一般的です。フリーゾーン法人は当局により異なり、英語のみで受理されるケースもあります。公証費用は1,500〜5,000AED(約65,000〜215,000円)です。

ステップ5:オフィススペースの確保(Ejari登録)(1〜3週間)

メインランド法人は物理オフィスが必須で、賃貸契約をドバイ土地局のEjariシステムに登録する必要があります。Ejari証明書はライセンス申請・銀行口座開設・ビザ申請すべてに必要な重要書類です。Ejari登録費用は120AED(約5,160円)です。

フリーゾーン法人はフレキシデスクやスマートオフィスでも可能です。

ステップ6:トレードライセンスの取得(5〜7営業日)

必要書類を揃えて当局に提出し、審査を経て貿易ライセンスが発行されます。ライセンスの種類は商業ライセンス、工業ライセンス、専門職ライセンス、観光ライセンス、農業ライセンス、工芸ライセンスの6種類で、事業内容に応じて選択します。

ステップ7:銀行口座開設とビザ取得(2〜4週間)

ライセンス取得後、法人銀行口座を開設し、レジデンスビザとエミレーツIDを申請します。銀行口座開設はAML/KYC審査の厳格化により2〜4週間を要するのが標準です。ビザ申請は健康診断・バイオメトリクス登録を経て発給されます。

設立全体スケジュール

フェーズ 主な手続き 所要期間
①事前準備 業種・形態決定 → 商号予約 → 初期承認 → MOA作成・公証 2〜3週間
②ライセンス取得 オフィス契約・Ejari → トレードライセンス取得 FZ 3〜5日/メインランド7〜10日
③設立後手続 銀行口座開設 → ビザ・エミレーツID取得 → 法人税登録 4〜8週間

書類完備の場合、フリーゾーン法人は3〜5日、メインランド法人は7〜10日でライセンス発行まで進みます。銀行口座開設・ビザ取得まで含めた全体所要期間は2〜3か月が目安です。

ドバイ法人設立の必要書類一覧

個人で準備する書類

法人で準備する書類(既存法人が株主になる場合)

アポスティーユ認証の取扱い(2025年以降)

UAEは2025年にハーグ条約(外国公文書の認証を不要とする条約)に加盟したことにより、日本から書類を持ち込む際の認証手続きが従来の領事認証からアポスティーユ認証へ移行しました。日本の外務省でアポスティーユ証明書を取得することで、UAE側での個別認証が不要となるケースが増えています。

ただし、書類の種類や提出先当局によって運用に差があるため、事前に提出先当局に確認することを推奨します。この手続きには2〜3週間程度かかることが多いため、余裕を持って準備することが重要です。

最低資本金の取扱い

UAE会社法では、有限責任会社(LLC)について資本金の最低額を法律で一律に定めていません。実務上の目安は以下のとおりです。

拠点 最低資本金(目安) 払込義務
メインランドLLC AED 300,000(伝統的目安、業種によりAED 50,000〜100,000) 業種により実態審査
IFZA(Dubai) AED 50,000(約215万円) 形式上の登録のみ
DMCC AED 50,000(約215万円) 1株あたりAED 1,000以上
DIFC 業種により異なる(金融業はUSD建て) 事業計画に応じて要請
JAFZA AED 1,000,000(FZ-LLCの場合) 払込証明書が必要
DAFZA AED 1,000〜(FZCOの場合) 形式上の登録のみ

形式上低額の資本金で設立できても、銀行口座開設時には資本金の実体が重要な審査ポイントになります。MOA記載額と実際の入金額の整合性、資本金の送金元の信用度、事業計画と資本金水準のバランス、UBOの身元と資金源が確認されます。

関連記事:ドバイ法人設立の資本金はいくら必要?最低資本金と入金義務を整理

ドバイ法人設立の費用と期間

フリーゾーン法人の費用相場(1ビザ発行を含む場合)

費用項目 金額の目安
初期設立費用(ライセンス含む) 150万円〜200万円
年間維持費用 60万円〜120万円
ビザ申請料(1人あたり) AED 3,000〜8,000(約13万〜34万円)
エミレーツID発行費用 AED 370(約16,000円)/人
健康診断費用 AED 320〜750(約14,000〜32,000円)/人

メインランド法人の費用相場(1ビザ発行を含む場合)

費用項目 金額の目安
初期設立費用 180万円〜220万円
オフィス賃料(年間) AED 5,000〜(約215,000円〜)
政府登録費用(申請料) AED 1,035(約44,500円)
政府登録費用(登録料) AED 9,020(約388,000円)
定款作成費用 AED 2,020(約87,000円)
Ejari登録費用 AED 120(約5,160円)

※AED円換算は1AED=43円(2026年5月時点)で算定しています。

設立期間の目安

費用比較表(フリーゾーンvsメインランド)

比較項目 フリーゾーン メインランド
初期設立費用 150万円〜200万円 180万円〜220万円
年間維持費用 60万円〜120万円 100万円〜180万円
オフィス費用 フレキシデスク可(年間20万〜) 物理オフィス必須(年間50万〜)
設立スピード 3〜5営業日 7〜10営業日
法人税(適格所得) QFZP適合で0% 一律9%(AED 37.5万超部分)

設立後の重要な手続き

法人税登録(設立後3か月以内)

2023年6月以後に開始する事業年度から施行された法人税法により、全ての法人はFTAが公表するスケジュールに従って法人税登録を行う必要があります。

2024年3月1日以後に新規設立される法人については、原則として設立日(incorporation date)から3か月以内に法人税登録が必要です。登録を怠った場合、AED 10,000(約43万円)の罰金が課されます。法人税登録はFTAのEmaraTaxポータルを通じてオンラインで行います。

関連記事:法人税登録遅れの罰金10,000AEDを回避する方法|罰金免除要件と7か月以内申告ルール

銀行口座の開設

銀行口座開設には以下の書類が必要です。

銀行によっては最低預金額がAED 25,000〜500,000(約108万〜2,150万円)と幅があるため、事前に確認することが重要です。近年はUAE銀行のコンプライアンス(AML/KYC)審査が厳格化しており、書類不備による口座開設の遅延・拒否事例が増加しています。

関連記事:ドバイ現地銀行口座開設の完全ガイド|銀行の選び方と開設手順、審査期間を解説

レジデンスビザとエミレーツIDの取得

会社設立後、入国許可証を申請し、UAE入国後に健康診断を受け、バイオメトリクス(指紋・顔認証)登録を行います。エミレーツIDの発行には入国後から通常7〜10営業日かかります。手続き全体の所管当局はUAE ICP(連邦市民権・身分・税関・港湾安全保障庁)です。

VAT登録判定(売上AED 375,000基準)

過去12か月間または今後30日以内の課税売上がAED 375,000(約1,612万円)を超える見込みの場合はVAT登録義務が発生します。AED 187,500(約806万円)を超える場合は任意登録が可能です。VAT登録後は四半期または月次でのVAT申告義務が発生します。

手続き 必要期間 主な要件
法人税登録 設立日から3か月以内(新規法人) EmaraTaxポータルでオンライン登録
銀行口座開設 2〜4週間 トレードライセンス、定款、エミレーツID等
レジデンスビザ申請 2〜3週間 入国許可証、健康診断、バイオメトリクス登録
エミレーツID発行 7〜10営業日 バイオメトリクス登録完了後
VAT登録(義務) 売上閾値到達日から30日以内 売上証憑、銀行明細等

日本人がつまずきやすい3つの落とし穴

ここからは、当会計事務所で年間80件超の設立サポートを通じて見てきた、日本人経営者が特に陥りやすい落とし穴を3点お伝えします。設立業者の営業トークだけで判断すると後で大きな代償を払うことになります。

CFC税制(タックスヘイブン対策税制)の罠

「ドバイ法人を作れば法人税0%だから日本の税金もゼロ」という説明は正しくありません。日本の親会社または個人が10%以上出資するUAE法人は、日本の外国子会社合算税制(CFC税制)の対象となり、要件を満たさないと所得が日本側で合算課税されます。

UAE法人税率は9%で、適用免除基準となる租税負担割合の閾値(特定外国関係会社27%/対象外国関係会社20%)を下回ります。したがって以下の経済活動基準すべてをクリアする必要があります。

バーチャルオフィスのみ・現地スタッフ不在・日本から遠隔操作のような構造はペーパーカンパニー認定リスクが高く、CFC税制で日本側に合算課税される可能性が極めて高くなります。

「資本金1円でOK」の誤解と実態審査

UAEの一部フリーゾーンでは登録時の資本金払込証明を求めず、低額の資本金で設立できます。しかしこれを「日本のように資本金1円でOK」と誤解すると、銀行口座開設や法人税申告で大きく躓きます。

銀行口座開設の審査では、MOA記載額と実際の入金額の整合性、資本金の送金元の信用度、事業計画と資本金水準のバランス、UBOの身元と資金源すべてが確認されます。事業規模に対して資本金が著しく低額だと、口座開設拒否や数か月の審査遅延が頻発します。

加えて、CFC税制対応の観点からも、実体ある資本金水準(最低でもAED 50,000以上、貿易業なら100,000以上を推奨)を確保すべきです。

「フリーゾーン=法人税0%」の誤解(QFZP要件)

「フリーゾーン法人は法人税0%」というのも正確ではありません。2023年6月施行のUAE連邦法人税により、フリーゾーン法人にも一律で法人税の枠組みが適用されています。

フリーゾーン法人が0%税率を維持するには、QFZP(Qualifying Free Zone Person・適格フリーゾーン法人)と認定される必要があり、以下の5要件をすべて満たさなければなりません。

これらを満たせない場合、Qualifying IncomeでもAED 375,000超部分には9%課税が発生します。日本人経営者が運営する事業では、特に「適格活動」と「実体」を満たすことが難しいケースが多く、現実には9%課税となる前提で資金計画を立てる方が安全です。

関連記事:適格フリーゾーン法人(QFZP)とは?法人税を0%にする5つの要件について解説
関連記事:ドバイ法人にかかるタックスヘイブン対策税制(CFC税制)について解説

ドバイ法人設立に関するよくある質問(FAQ)

Q1. ドバイ法人設立にどのくらい期間がかかりますか?

書類完備の場合、フリーゾーン法人は3〜5営業日、メインランド法人は7〜10営業日でライセンス発行まで進みます。ただし銀行口座開設(2〜4週間)、レジデンスビザ取得(2〜3週間)、日本側のアポスティーユ取得(2〜3週間)まで含めると、全体スケジュールは2〜3か月を見込むのが現実的です。

Q2. 日本に住みながらドバイ法人を設立できますか?

設立手続き自体は委任状(POA)を使って日本から完全リモートで進められます。ただし、レジデンスビザ取得にはUAE入国・健康診断・バイオメトリクス登録が必要で、最低1回はドバイへ渡航する必要があります。なお、日本居住のままドバイ法人を運営する場合、CFC税制で日本側に合算課税されるリスクが極めて高くなる点に注意が必要です。

Q3. ドバイ法人設立の総費用はいくらですか?

1人のビザ発行を含むスタンダードなケースで、フリーゾーン法人は150万〜200万円、メインランド法人は180万〜220万円が目安です。これに加えて年間維持費用が60万〜180万円程度かかります。ライセンス更新費、ビザ追加、オフィス拡大時には追加費用が発生します。

Q4. ドバイ法人の法人税は本当に0%ですか?

正確には0%は条件付きです。フリーゾーン法人がQFZP(適格フリーゾーン法人)の5要件をすべて満たせば適格所得は0%、それ以外の所得は9%です。要件を満たせない場合は通常法人と同じくAED 375,000超部分に9%課税されます。メインランド法人は一律でAED 375,000超部分に9%課税されます。

Q5. 設立後すぐに事業を始められますか?

トレードライセンスが発行され次第、請求書発行・契約締結・取引を始められます。ただし法人銀行口座が開設されるまでは入金を受け取れないため、実務上は銀行口座開設後(設立から1〜2か月後)が事業のフルスタートとなります。

Q6. 日本の会社を残したままドバイ法人を設立できますか?

可能です。日本法人をホールディングス、ドバイ法人を事業会社とするグループ構成は一般的なスキームです。ただし、持株比率・配当方針・取引スキームによって、日本側のCFC税制やUAE側の移転価格税制の論点が生じます。将来的なM&Aや事業承継も見据えた設計が重要です。

Q7. オンラインだけで法人設立は完了できますか?

法人登記までは委任状を使ってオンラインのみで完了可能です。しかしレジデンスビザ取得とエミレーツID発行には現地での健康診断・指紋認証が必須で、最低1回(標準で1〜2週間程度)の現地滞在が必要です。

まとめ

📋 今回のポイント

  • UAE国内店舗ビジネスはメインランド、対外取引中心はフリーゾーンが基本選択
  • 2025年新ルールでフリーゾーンも本土営業可(本土収益は9%課税)
  • QFZP 5要件を満たさなければ通常9%課税
  • 2025年からアポスティーユ認証に移行(領事認証は原則不要)
  • 新規法人は設立日から3か月以内に法人税登録(怠るとAED 10,000罰金)
  • 銀行口座開設はAML/KYC厳格化で事業実態の説明資料が必須
  • 資本金はCFC税制・銀行審査・QFZP要件を踏まえた実態水準で設計
  • 全体スケジュールはアポスティーユ含めて2〜3か月

ドバイ法人設立は、税制メリットが大きい一方で、CFC税制・QFZP要件・AML/KYC審査など、日本人経営者がつまずきやすいポイントが多数存在します。設立業者の営業トークだけで判断せず、日本とUAE双方の税務を理解した専門家に相談することが、長期的に見て最も安全で経済的です。

当会計事務所では、ドバイ法人設立から法人税登録、銀行口座開設サポート、ビザ取得、設立後の会計・税務申告、そして日本側のCFC税制対応まで一貫したワンストップサービスを提供しております。これからドバイ進出をご検討されている経営者の方は、当会計事務所までお気軽にお問い合わせください。

根拠条文・出典

※本記事は2026年6月時点の情報に基づき作成しています。法令・実務運用は変更される可能性があるため、最新の公式情報のご確認、または当会計事務所までご相談ください。AED換算は1AED=43円(2026年5月時点)。

 このブログを書いた人

税理士・公認会計士(JCPA)・UAE公認会計士(EAAA)協会会員。日本とドバイで会計事務所を経営。現地日本企業の税務顧問先100社(上場会社含む)、会社設立実績80社以上。
ドバイ法人の会計監査や税務申告、ドバイ移住支援を行っています。

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